面白い宣伝文句
「明治~平成広告の歩み」も楽しいよ。日本最初の日刊紙「横浜毎日新聞」は全紙面の半分以上を広告が占め、明治初期は本と薬品の広告が多かった。外国車シボレーや雑誌キングの広告も。「ドナタがお召(め)しに成っても1点の申分(もうしぶん)なき福助足袋(ふくすけたび)」「此の一杯に初恋の味がある―カルピス」とか宣伝文句も面白いよ。
付録のカレンダー
関東大震災翌年の大正13(1924)年の大阪朝日新聞カレンダーが博物館にあるよ。上村松園(うえむら・しょうえん)、藤島武二(ふじしま・たけじ)といった有名画家が日本髪の女性12人を描いている。昭和30年代まであった新聞付録の一つ。関東大震災では東京の新聞社が打撃を受け、大阪が拠点だった朝日や毎日が全国紙になっていくんだよ。
チリンチリン
号外は、以前は新聞社の速報の武器であり、ニュース合戦の華だった。西南戦争での西郷隆盛(さいごう・たかもり)戦死の号外は有名だよ。明治時代は法被(はっぴ)を着た売り子たちがチリンチリンと鈴を振って売りまくった。博物館にはアポロ11号月到着、オウム事件、ダイアナ元妃(もとひ)死亡などの号外と法被やチリンチリンを展示しているよ。
各地の新聞紙
牧野富太郎は有名な植物分類学者。全国を歩いて植物の標本を各地の新聞紙にはさんで持ち帰った。その新聞の題字部分を集めたものが博物館で見られる。当時と比べ「日日」を使う社は減ったね。熊日の今の題字は昭和32(1957)年から。世の中のすべてを伝える意味で太陽や月や動物も描かれているよ。
首相暗殺事件の紙面
昭和に入ると政党政治を認めない勢力が政界首脳の暗殺を強行し、日本は戦争の道を進む。海軍将校たちが「話せばわかる」という犬養首相を射殺した1932(昭和7)年の五・一五事件、陸軍の青年将校たちが岡田首相らを襲撃した1936年の二・二六事件も起きた。博物館で当時の紙面や号外が見られるよ。