MERS(中東呼吸器症候群)について
2012年、サウジアラビアに渡航歴があるカタール人男性が初めて感染した新種のウイルス性呼吸器疾患。病原体はMERSコロナウイルスで、症状と病名が似ているが、SARS(重症急性呼吸器症候群)とは別の病気。ウイルスの起源はコウモリとみられ、ヒトコブラクダを宿主に、動物からヒトへ感染。さらに飛沫などによってヒトからヒトへの感染も確認されている。
無症状や軽度の呼吸器症状から、重症の急性呼吸器疾患まで多様。せきや発熱、肺炎、下痢などの消化器症状、多臓器不全などを伴うことも。治療は対症療法で、ワクチンはない。
2013年にサウジアラビアやアラブ首長国連邦などで感染者が相次いだ。15年には韓国で発生。これまでの患者数は約2500人、死者は約850人で、致死率は約35%と高い。