日本脳炎について
コガタアカイエカによって媒介され、日本脳炎ウイルスによっておこる感染症。増 幅動物である豚の体内でウイルスがいったん増え、吸血した蚊がヒトを刺した時に感 染する。高熱や頭痛、めまいなどの症状があり、重篤な急性脳炎をおこす。特異的な治療薬はなく、死亡率は20〜40%と高い。生存者には後遺症も残りやすい。
極東から東南アジア、南アジアにかけて発生し、年間3〜4万人の患者が報告され ている。日本では1966(昭和41)年に2,000人を超す患者が発生し、熊本でも100人 を上回った。その後も県内では多発し、全国ワーストワンの常連となった。そのため熊本県では日本脳炎の撲滅に向けて豚へのワクチン接種、蚊の駆除などにも力を入れてきた。近年は予防接種により発生は激減している。